× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
![]() |
美容室でベリーショートにしてもらった。
ハゲのカットは熟達した腕前を要するらしく 店長と思慮される中年の男性美容師さんが腕をふるってくれた。 俺が全スカハゲの悩みを打ち明けて、 短髪にする危険性についておずおずと質問すると 春風のような爽やかさで「大丈夫ですよ」と余裕たっぷりに言うから 安心しきって頭を任せたんだが、 カットの進行に伴い美容師さんの顔が険しさを増していく。 首を捻りながらハサミを入れたり、櫛で特定部位を執拗に撫で付けたりして 悪戦苦闘する姿を見ているのは本当に辛くて、 俺は俯いて唇を噛み締めるばかりだったよ。 歯切れの悪い「お疲れ様でした」という終了の挨拶に応えて顔を上げると、 正面の鏡には薄気味悪いヒヨコが映っていた。 美容師さんは失敗作の壺を検分する陶芸家のような 惨とした表情で俺の後頭部を見つめていたよ。 もういっそのこと地面に叩きつけて粉々にしてもらいたかった。 PR |
![]() |